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レポート

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竜串海岸で高知大学の授業が行なわれました

 

 9月27日(金)高知大学の授業の一環として、竜串海岸で現地見学会が行なわれました。当日はコンクリーション(ノジュール)を研究している名古屋大学博物館・吉田英一教授を中心とする名古屋大学の研究グループや、高知大学・長谷川精講師による解説が行なわれたほか、名古屋大・高知大の大学教員と学生が実際にコンクリーションを観察しながら白熱した議論を重ねました。また、高知大学・奈良正和教授およびジオパーク推進室・今井専門員による竜串海岸の地層の解説などもあり、大盛況の巡検となりました。土佐清水認定ジオガイドも一緒に参加させていただき、お話に熱心に耳を傾けていました。

 コンクリーション(ノジュール)とは、球状で周囲の岩石に比べて硬い岩石のことで、世界中の様々な時代の地層から見つかっています。竜串海岸でもよく見られる、まん丸のこちらです。

 中から保存状態の良い化石がよく産出することもあって、その存在は古くから知られていましたが、どのようにしてできるかについては様々な説があり、統一的な形成メカニズムは明らかになっていませんでした。
 今回、来清した名古屋大学博物館・吉田英一教授を中心とする研究グループは、国内外のコンクリーションを詳しく分析し、「生物の遺骸が腐敗することで生じる炭素や酸素を含む酸と海水中のカルシウムが急速に反応してできる」という共通のメカニズムで形成されていることを世界で初めて明らかにしました。

 また、このコンクリーションの中には周囲が鉄の酸化物で覆われたものがあり、アメリカやモンゴルの砂漠の地層などから産出することが知られていました。さらに近年の探査結果から、火星にも類似するものが存在することが確認されており、その形成プロセスの解明が期待されています。竜串海岸に分布する三崎層群竜串層には、中に化石が入ったものは確認されていないものの、生物の遺骸がもととなってできたと考えられるコンクリーションが数多く存在します。中には不思議な形状をしたものも見られるほか、大部分は酸化鉄に覆われている事が特徴です。研究が進めば三崎層群ができた当時の様子、さらには火星の環境を解き明かすヒントが得られるかもしれません。

 今後、吉田英一教授を中心とする研究グループでは、コンクリーションの形成メカニズムをコンクリートの亀裂補修やシーリング技術への応用を目指すとのことです。竜串にも見られる地質現象にかかわる研究が、私たちの暮らしにも役立つことになりそうです。

 土佐清水ジオパーク構想では、研究のサポートを通して竜串海岸の価値を高めるとともに、保全活動やガイドツアーなどに活かしていきます。

 名古屋大学博物館・吉田教授らによるコンクリーションの研究について詳しく知りたい方はオンラインジャーナル「Scientific Reports」で論文を閲覧することができます(英文).
論文名:Generalized conditions of spherical carbonate concretion formation around decaying organic matter in early diagenesis
著者:Hidekazu Yoshida, Koshi Yamamoto, Masayo Minami, Nagayoshi Katsuta, Sirono Sin-ichi & Richard Metcalfe
URL:https://www.nature.com/articles/s41598-018-24205-5

 

掲載日:2018年10月10日

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